あるお家に小学4年生の、おしゃまな香奈という女の子がいました。

香奈は、お母さんのお手伝いが大好きでした。

『香奈ー。今日は、畑でじゃがいも収穫するよ。』

『あっ、私も行く。』

香奈は、どろんこになりながら、じゃがいもをてんこもり掘り出しました。

 

お母さんも、ニッコリ笑顔です。

『香奈ー。お母さん、おばあちゃんのお見舞いに行ってくるから、このじゃがいも、家に持って帰ってて。』

香奈は、ビニール袋に一杯のじゃがいもを、両手にぶら下げて、家に帰りました。

そのじゃがいもを、水で洗っている時

『あぁ、気持ちいいなあ。』

突然、声が聞こえました。

『誰?』香奈は、玄関に走りました。

『違う、違う。こっちだよ。』

 

何やら声が聞こえてくるのは、洗い終わった、じゃがいもからでした。

香奈は、とまどいながら、『じゃがいもさん?おしゃべりできるの?』そう、聞きました。

『そうだよ。僕だけは、おしゃべりできるんだ。きれいに洗ってくれて、ありがとう。さっぱりしたよ。』

『えぇっ。あなたは何でしゃべれるの?』

『カエルが田んぼから畑にやってきて、僕に魔法をかけたんだ。だから、僕だけは、話しが出来るようになったんだ。』

『それじゃあ、これから、あなたを食べれないわ。お母さんに内緒で、私の部屋に入れてあげる。』

『そいつは、嬉しいね。命びろいしたよ。』

『これから、私のおしゃべり相手になってくれる?』

『いいよ。君は、僕の命の恩人だ。何でも言う事聞くよ。』

『やったぁー。これで、私もひとりぼっちじゃないのね。』

香奈は、そのじゃがいも君を、大事そうに部屋のベッドに飾りました。

『これから毎日、ドキドキするわ。』

香奈に、友達が出来ました。