よーいやさあ。

よーいやさあ。

今日は、祭りの日です。

警備員のカッパのパーコちゃんは、大忙しです。

パーコちゃんの友達の、カワウソのリョウ太くんと、ミミズクのミズキちゃんは心配していました。

パンダのタダ夫くんに、仕事が終わったら、こっそり連れて行ってほしいと、計画していました。

タダ夫くんは、まかせときんちゃいという引越しセンターのドライバーです。

その名の通り、運転は、おちゃのこちゃいちゃいの、トラック野郎です。

リョウ太くんとミズキちゃんは、ダンボールの中へ、こっそり隠れました。

タダ夫くんのトラックは、パーコちゃんの警備している場所へ着きました。

いらっしゃいませ。

少々お待ち下さい。

ありがとうございました。

パーコちゃんのはちきれんばかりの声です。

タダ夫くんは、パーコちゃんに、冷たいジュースを買ってあげました。

パーコちゃんは、グビッと一気飲みでした。

もう、声がガラガラでした。

リョウ太くんとミズキちゃんは、トラックの下から、様子をうかがっていました。

その時、スズメバチが迷いこんできました。

リョウ太くんは、ハチに刺されてしまいました。

ミズキちゃんは、急いでタダ夫くんとパーコちゃんの所へ行きました。

事情を説明すると、タダ夫くんは困った様子でした。

トラックは大きすぎて、病院の駐車場には入れません。

パーコちゃんはすぐ、遊びに来ていたカルガモ親子に頼みました。

カルガモ親子なら、人間達も信号をゆずってくれるから安心だと、パーコちゃんの判断でした。

リョウ太くんは、カルガモ親子の背に乗って、病院へ行きました。

リョウ太くんは、グッタリしていました。

パーコちゃんも、ミズキちゃんも、タダ夫くんも、心配していました。

そこへ、みこしが通りすぎました。

あれだ。

パーコちゃんは言いました。

人間に助けを借りよう。そう言って、祭りの親分の所へパーコちゃんは行きました。

そして、みんなで、みこしに乗せてもらって、病院まで運んでもらう事にしました。

ワッショイ。

ワッショイ。

みこしが通りすぎます。

人間達は、みんな楽しそうに眺めています。

うちわを手にして、あおいでいます。

そして、やっと、病院に着きました。

みんな急いで、駆けつけました。

すると、元気一杯のリョウ太くんがいました。

カルガモ親子も一緒でした。

パーコちゃんは、仕事も放り出し、だけど、笑顔でした。

リョウ太くんが元気で、ホッとしていました。

さあ、今日は祭りだ。

みこしに乗って、元気に町にくりだすゾ。

パーコちゃんが言いました。

ワッショイ。

ワッショイ。

人間達も、飛び入り参加の動物達に、大喜びでした。

よーいやさあ。

よーいやさあ。